最近、私は少し間違った伝え方をしてきたかもしれない、と感じることがあります。
それは、仔猿をまるで模型の延長でとあるかのようにそう表現してきた部分があったからです。 これは、仔猿という新しいジャンルを分かりやすさを伝えたい一心で、自分が子供の時育ってきた「模型」という世界との共通点を少しでも感じてもらえれば、と思ったからです。特にキットを自分で作るという意味合いに重ねていました。
仔猿3万キロ走破達成へのお祝いと感謝の気持ちを込めて書きます。
しかし本当は、「小さいからといって手を抜かずにつくった本物のバイクである」ということを、最初に書くべきだったと今では思い始めています。 私の会社は大メーカーの何十万分の一ほどの規模にすぎませんが、かつてメーカーに在籍し開発をしていた経験を生かし、その基準で一つひとつの部品を設計・テスト・開発・評価してきました。 だからこそ、仔猿はメーカーとしてのオートバイそのものである――そのことが伝わればと願っています。 とはいえ、昨今のクレーマーまがいさえある状況の中、たった一人でやっているメーカーとしては、余計な説明に時間や労力を割く余裕は正直ありません。
しかし「物は語る」ということを、私は仔猿やホレックス、さまざまなバイクを設計してきた経験から何度も実感してきました。 現在、仔猿を愛してくださる方々には、その部品一つひとつから想いが伝わっているのだと思います。
今回、パパ堅田さんが3万キロを達成されたことについて、私はそれぞれの部品がきちんと設計されているのだから当然だ、と感じる一方、 作業として耐久テストのように見れば、法定速度30キロを守りつつ、本来のお仕事を全うしながら時間を工夫し、不屈の精神で走りきった―― その大変さは、お祝い以上に感謝の念しかありません。 それこそ私自身が自分でやろうとしても到底できることではありません。
しかも、もう1台の仔猿も数ヶ月のうちに3万キロを達成しようとしているとのこと。 たった一人の人間が成し遂げたとは思えない驚きも、ここに書き添えておきます。
詳しくはまたどこかで技術分析を書かせていただこうと思いますが、 仔猿サイズでの3万キロは、車輪の累計回転数で換算するとスーパーカブサイズで7〜8万キロに相当します。 それだけ仔猿がいかに丈夫であり、この走破がいかに大きな達成であるかが分かるでしょう。
もう一つ加えておきますと、レーサー設計の見極めを含めて 重量 軽減などに挑戦して追い込んだ部品も保つている点に 私は次の 一つのノウハウになっていくと思います。 これもありがとうございます
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